2.イワン・イワーヌイチのお願いとそれから何が起こっ
たかについて

  ティッリと感嘆符に捧ぐ





イワン・イワーヌイチ おはなししてよ

キカとコカに おはなししてよ
塀の上で おはなししてよ 

あんたは機関車の話してるよ
なんで機関車なのさ?
機関車なんていらないよ。 

ヘアピンの方がいいよ、ベレンダー
ひ から か く ごで ベレンダー
混乱させたね ベレンダー   

ひとりの家具職人がいたってさ
ただし 筋肉もりもりの家具職人
糊を塗ってた 家具職人 

つくったのは いすとつくえ
トンカチで つくったのは つくえ
ハシバミから つくった つくえ




 

     



彼はイワンといいました

彼のお父さんもイワン
そして彼もイワン 

かれにはおかみさんがおりました
おかあさんじゃなくて、おかみさん
おかあさんじゃなくて、おかみさんがね

彼女 なんて名前かなあ 今じゃ
思い出せないな 今じゃ
忘れちゃったな いー・・・まじゃ 

イワン・イワーヌイチはいいました
すごく賢く いいました
キスしてくれよ(*)といいました 

おかみさんは彼に: 野蛮人!
あんたは だんなで 野蛮人!
あっち行け 野蛮人!








あたしは あんたとは いやよ
そんなことするの いやよ
なんでかって いやよ 

イワン・イワーヌイチ ハンカチとりあげ
ハンカチ広げて
そのハンカチを また たたみ
 

いやなんだな、といいました
ほうそれじゃあよ、といいました
おれ いっちまうぞ、といいました 

おかみさんは彼に: 野蛮人!
あんたは だんな 野蛮人!
あっち行け 野蛮人!

あんたは 全然 わたしにあわない
あんたのことは 知りたくもない
あんたなんか ペッてとこよ








イワン・イワーヌイチは イカレたよ
いっておくけど イカレたよ
ウシキールカかどこかで イカレたよ 

おかみさんは 彼をここにね
ぶんなげた そら ここに
そう それから もう一度 ここにも 

耳 ぶんなぐって それから
歯 たたき出して それから
ひっぱたいたよ それから! 

イワン・イワーヌイチは くちごもり
ちょっとだけ こう くちごもり
くち ご、ご、ご、ご、ご、ごもり 

いやなんだな、といいました
ほう、それじゃあよ、といいました
おれ いっちまうぞ、といいました




おかみさんは彼に:野蛮人!
あんたは だんなで 野蛮人!
あっち行け 野蛮人! 

だから 行っちゃった 彼は行っちゃった
馬車にのって 行っちゃった
汽車にのって 行っちゃった 

おかみさんが あとに のこった
そうして わたしも そこに いた
わたしら両方 その場に いたのさ






1925年 11月  



        

* 原文には品のない言葉が使われていた。(原作者註)


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   挿絵 河原朝生